Pochitto(ぽちっト)神戸 | 街角浪漫
更新:2025.3.23
第49回---街角浪漫
安住紳一郎さんのラジオの放送の中で中学生の会話ですが「私達の学年ってメチャクチャ寅年が多いねん」て喋っているのを聞いて、「たまに兎年もいいひん」って聞くとまるで預言者を見る様に「なんで解るん」と言われたとパパリスナーからの投稿を聞いて、毎年宗像大社にまでくじ引きでの干支のお守りを貰いに行く身としては教育というのは難しいのやなあと少し考えさせられます。
そうですね、今なら即刻アウトなのでよいこの皆さんは絶対に真似をしてはいけません。
中学生の頃といえば、神鉄にも愛称が「ウルトラマン」と呼ばれる新型車両が登場しました、同級生数人と鈴蘭台駅迄見に行った想い出があります。駄菓子屋の鈴屋と阪神相互銀行の間に在る踏切の前で待っていると、警告音と共に降りてきた遮断器の棒にそこにいた連中のカバンを差し込んで抜けなくした奴がいました。電車が通り過ぎ遮断器が元の位置に上がると僕達のカバンは団子三兄弟のように連なって次に遮断器が降りてくるまでそのままです。
踏切自体が駅からそう離れていないのですぐに駅員さんに見つかり、勿論その後はちょっとした大騒ぎになりまして、駅長室に並ばされ、もし折れてでもしていたら、その賠償金の額や重大事故に?がる案件としての思慮分別の無さや安全についての説明をこっぴどく星空に変わるまで教え込まれました。本来ならば警察及び学校や親に連絡し、それなりの処分を受ける事を覚悟したのですが、駅長様が事の一切を被ってくれまして、寛大な心によってお咎めなく帰してくれました。
それからしばらくして遮断器の棒が鉄製に変わっていました。
長くなりましたが、その忘れられない記憶の新型車両「3000系」が新しく化粧直しをして、この30日に谷上~岡場間を走ります。そして岡場のエコールリラでは初代ウルトラマンの中に入っていたチョット猫背の古谷敏さんがトークショーを開いてくれます。
更に4月1日からウルトラマンがアンバサダーとなって翌3月31日まで「ウルトラ大作戦」が実施されます。ゴモラやキングジョーを追いかけた我々世代にとって、今からどんな企画が出てくるのかたまりません。既に鈴蘭台駅ではウルトラマンティガが立っており、志染駅にはウルトラセブン、岡場駅にはウルトラマンが設置されています。スタンプをコンプリートするとM78星雲行きの記念切符を貰えますので、さあ一緒に時を超える銀河旅行を楽しみましょう。
※8周年記念号として創刊から人気の山善寿司大将の街角浪漫を2話掲載させて頂きました。。
毎年この季節になると、近所の桜の名所を訪ねていましたが、去年はビックリしました。
鈴蘭台第三住宅前の桜並木が花をつけませんでした。
紹介した所が又枯れてしまうと大事なので今回は広域にわたって満開の花が舞う兵庫一の河川、加古川沿いを訪ねましょう。
以前紹介した日本一低い分水嶺「石生(いそう)の分かれ」から西に滴り落ちる雫が小川に拡がるあたりから桜並木は続いていきます。やがて氷上の盆地を駆け巡りルート176号沿いを南下して柏原迄来て川と桜はルート175号に進路を変えていきます。
何故ならそこには1億千年前に出来た丹波竜達が眠る篠山層群が立ちはだかっているからです。そして泉台と同じ地質の2億年前の海底に出来た丹波層群との間を縫って篠山川が福知山線と共に谷川で合流し、徐々に大河となって175号を南下していきます。西脇から順調に流れていた川ですが、有馬層群の隆起によって激流となった闘竜灘を超えて桜と川は続いていきます。そして小野にはいると川幅は広がり、神鉄と北条鉄道の終着駅の粟生辺りには桜づつみ回廊や梁瀬桜づつみ等至る所に桜並木が続いていきます。河川敷にソメイヨシノを植えれば土手が根に守られます。その並木を見ようと人は訪れます。その人の足でより土手は固まります。こんな一挙三得の方法は、今放送中の大河ドラマで描かれる吉原が元祖と言われています。
子のまま市内を通り抜けて瀬戸内海に流れ込んでいきますが、その昔この川の西側でとんでもない大惨事が起きました。
868年8月3日山崎断層を広域にずれさせた播磨地震の震源地が残っています。この地震の凄まじさは京都までも揺らし、摂津、播磨はおろか中国地方に有った大きな寺院をことごとく破壊しまくり、多くが廃寺になり足跡のみを残すだけになっています。
そんな中で震源地の近くに宝殿の由来になった生石神社(おうしこじんじゃ)が祀られています。風土記にも載るように地震前から祀られていたので、アニメのすずめの涙に出てくる様な「かなめ石」のような存在ではないのでしょうが不思議ですね。
そして気づきましか?字が入れ替わるだけで石生(いそう)から始まり生石(おうしこ)に至りました。この河は周りの断層を視ながら流れて行きますので、花を愛でながら地名も地形も楽しめます。結構距離が在りますのできっと何処かで満開の桜に出逢えますよ。
作 山善寿司 大将