Pochitto(ぽちっト)神戸 | 街角浪漫
更新:2020.1.23
第18回---街角浪漫
1981年の頃、神戸中央市民病院がある所はまだ海でした。そして、山側のUCCコーヒー館との間には遊園地がありました。
新しい"海の文化都市"の創造をテーマにお彼岸から敬老の日まで、市民広場駅辺りを中心に、ゴダイゴの歌に誘われて1600万人を超える人々が、地方博にも拘らずここを訪れました。
椅子が映像と共に動くダイエー館、ロンロンとサイサイのいたパンダ館等々のパビリオンを繋ぐ銀河鉄道(蒸気機関車)が走り抜け、11年前の大阪万博にも匹敵するほどの国々や企業が参加していました。
その中の一つの静かな所にあるガラテ館というところで、実はアルバイトしていました。休憩中に、パビリオンもほぼ見学しましたが、何よりも毎日がお祭り状態でしたので、沖縄や地方から出て来た人達とすぐ仲良くなり、当時は神戸市民というだけで羨望の眼差しで見られていたことを思い出します。
博覧会での一番の想い出は、上皇がまだ皇太子であられたときに見学に来られ、ガラテ館はもとより、隣の松下館を始め各館の従業員が整列してお出迎えしていた中、つかつかと目の前に来られて、この仕事は楽しいですかと質問されたことです。
勿論、何を答えたか覚えてはいませんが、陛下に握手をしていただいたことだけは鮮明に覚えています。
ポートライナーが無人運転で島を巡りだした頃、各車メーカーが自動運転実験を始め出したと話題になっていましたが、何故かあれから40年も経ちました。
その間に神戸では、ユニバーシアード大会、金絲猴が目玉だったグリーンエキスポ、しあわせの村にオブジェが残っているフェスピック大会と国際都市と謳われるにふさわしく、世界から人々を誘致する催しが次々に行われていきました。にも拘わらず神戸は空港を拒みました。
21世紀になって復興の置土産みたいになってできた空港ですが、他の空港に降りた人なら利便性においてポテンシャルの高さは群を抜いている事がわかると思います。海が見える観覧車が回っていた所から南に向かって、アメリカに届く位の勢いで海を埋めていった、人工島の集大成として開催されたポートピア博覧会。
この街にもその名残は残っています。第5団地の路上駐車禁止用に使われているのと君影福祉センター前の花壇は博覧会後に寄付されたものです。
作 山善寿司 大将