Pochitto(ぽちっト)神戸 | 街角浪漫
更新:2021.7.23
第27回---街角浪漫
始まりましたね。おかげ様で今年の十月には旗日がありません。さあ山の日まで日の丸を背負ったアスリート達を応援していきましょう。この街に住む人々にはきっと楽しい事がありますよ。
学問の中で、数十億年規模にまたがるのは天文学と地質学のみである。とおっしゃる千葉の船橋から越してこられた川上隆芳、量子ご夫婦にお逢いしたのは六条八幡の境内でした。地面に地図を書いて頂きながらご教授を賜ること数時間、面白くてほぼ「ブラタモリ」状態、さてここから、昨日の晩御飯が思い出せない方にでも理解出来る、時空を超えた旅の話の始まりです。
二億年前、まだ神戸が海の中の時に出来た地層を「丹波層群」温泉が湧き出す基となった「有馬層群」が七五〇〇万年前。そして一五〇〇万年前、淡路島と陸続きだった頃の地層が「神戸層群」更にそこからたった一〇〇万年前、六甲山が火山の頃、神様が棒で引掻き回すとそれぞれ多井畑、白川、藍那累層等の海の中の地層がごちゃごちゃになって隆起してきます。そして出来上がったこの大地ですがこの街で簡単に辿る事ができるのです。藍那小学校から大中寺の方に入った蛍の舞い散る上蛇谷橋辺りに見事に神戸層群が露出しています。
そこから北五葉の天津彦神社から杉尾神社の南側に地層が出ていますが、これが「白川層群」そして東に少し行った極楽寺から大歳神社を経て万福寺を抜けて二軒茶屋近くの瀧川稲荷神社辺りは「六甲花崗岩」気が付いた方は歴史好きか地形マニア?実は今迄辿った寺社は一本の線上に有りますそれが「万福寺断層」と名付けられた古い断層なのです!特に断層が走る北側の杉尾神社から泉台辺りは、ここだけほぼ二億年前の「丹波層群」の上。他には押部谷の雄岡山、雌岡山位しか見当たらないレアな山でした。
<しかしながら、断層の知識も無い、古の偉人達は村も違うのにも係わらずその断層上に神仏をお祀りしたのでしょうか?今年、もう一度見る事が出来る月食並みの浪漫ですよね。けれど川上ご夫妻は知っておられました。大地が揺れた後は土が柔らかいから家を建てるにしても耕すにしても楽に出来るからだと。因みに実家は「万福寺断層」の上になるみたいです。最近、民家の前に賽銭箱が置かれていたら「六根清浄」お気軽に施しを。
参考文献:
万福寺断層を辿る
2021.01.25
国交省近畿地方整備局 六甲砂防事務所
作 山善寿司 大将