Pochitto(ぽちっト)神戸 | 街角浪漫
更新:2018.1.23
第6回---街角浪漫
平成になってから早30年を迎えました。来年には、新しい年号に変わりますが、イニシャルがM、T、S、HをはずしてBorG?何になるかいまからとても楽しみです。
さて、北五葉2丁目の黒瀬内科の横に、お地蔵さまが建っていますが、その昔、神戸北郵便局横の猪口橋から有馬線沿いの萬福寺へと続く旧道の名残なんです。
昭和40年代からの開発の際、あのあたりから掘り出されました。墓地だった両畑公園を過ぎ、西谷公園へ下るとアマテラスの玉から生まれた「天津彦神社」そして命の中に「勝」の命が3つ入った杉尾神社。県道を渡り、北の旧道へ入ると、幕末の頃に石井ダムの近所にある妙号岩に「南無阿弥陀仏」と掘った和尚さんがいた極楽寺。小川沿いに少し登ると大歳神社の鳥居が見えてきます。この神様はスサノオから生まれましたが、民話では、一夜の宿を借りる旅人です。快く泊めてもらった家の玄関には翌朝、金銀等の財宝を積んで消えていたという話が伝わっています。
そして、線路沿いへ北を向くと萬福寺の桜門が目に入って来ますが、この小路の途中に手付かずのまま残る所があります。大堂八幡神社の小さな祠の横から枯れることなく湧き出る小川沿いに佇む築600年を越える内田家住宅あたりです。もちろん車も通れません。せせらぎの音、小鳥の鳴く声以外、風が木の葉を揺らす音だけの小路。過去にいったいどれほどの人々がこの風景を見ながら通り過ぎて行ったのでしょう。
平安時代には烏帽子姿や、小袖をまとった旅人が往来していたであろうこの小路、次の時代の人たちにも、時代を越えたこの風景を残しておきたいものです。
作 山善寿司 大将