Pochitto(ぽちっト)神戸 | 街角浪漫
更新:2021.9.23
第28回---街角浪漫
鈴蘭台の風景が少しだけ変わっています。
麓に、義経馬繋ぎの松の史跡が有る高尾山のレーダーが無くなりつつあります。昔は必ず天気予報の際に「神戸海洋気象台」発表として京阪神の空を守っていましたが、少しだけ月に近い「ひまわり」に取って代られました。
気が付いたら無くなっているものが割に在りますよね。
例えば六甲山頂に有ったレーダーも然りです。囲むように張り巡らされたフェンスの向こうはアメリカでした。その昔、万博の為に南太平洋で眠っていた怪獣ゴモラを科学特捜隊の誇るビートル二台で吹田に運ぶ途中に目が覚めたゴモラに暴れられて落としてしまいました。ウルトラマンに尻尾を切られても地中に逃げ込み、挙句の果てには、大阪城をも破壊してしまう程、まさにゴジラ並の強者ですのでハヤタ隊員達も必死です。
目撃情報を聞く為に、自転車に乗った少年達に聞いていた場所が、他でも無い一軒茶屋の正面の空き地でした。見逃すはずもありません。早速、ラジオ体操にも出たことの無い数名の北五葉小学校サイクリング野郎達は931メートルの頂に向かってペダルを漕いで登って行きます。が、途中雨が強くなり、その上、一人が今でいうところの熱中症にかかり、六甲山牧場の、羊の放牧地から流れる湧水をすすってやむなく下山してしまいましたが、今や目指した空き地は国立公園ですから整備され、勿論、自転車置き場も有るトイレが出来ています。
そして国境は取り除かれ、誰もが山頂迄簡単に登れる様になっています。ただ、小部峠からの道は、片山義美さんの伝説を語り継ぐライダー達を目の敵にしたようなでこぼこの愛の無い道のままです。誰もが安全に楽しみながら走る事が出来ればいいのなら、一層来るべき未来への先駆けとして、運転手もフリーハンドで景色を楽しめる様な自動運転システムを導入してみたら如何でしょうか。
日本初の道、神戸市ならやれます。ポートピアで実証済ですから。
作 山善寿司 大将